2017年9月18日月曜日

第56話 七ツ島の由来

鹿児島市民には馴染み深いかと思いますが…産業道路を南下して行くと谷山港の近くに七ツ島という地名があります。
サンライフプールとかあるあの辺りです。
小さい頃から馴染みのあるこの“七ツ島”。大人になってから気になった事、それは「どうして七ツ島って言うんだろう…?」この疑問を解決するのに時間はかかりませんでした。

結論から言うと
名前の通り、

七つの島があったから。

全体的にそんなに大きな島ではなかったようですが、大小7つの島があった事が地名の由来です。
まっすぐな海岸線が続き、父島・母島・兄島…など、7島それぞれに家族構成の名も付いていて、観光地としても有名だったそうです。春は潮干狩り、夏は海水浴で賑わい、一口蛸が名物だったそうです。
と言ってもそんな遠い昔の話ではなく谷山近辺に住んでいた50代以上の人でしょうか。小さい頃行った事があるとか、遠足で行ったという話も聞いたことがあります。


今は埋め立てられて島があったとか海岸線が続いていたなど想像もつきませんが、七ツ島には今でも当時ここに七つの島があったんだという名残があります。それが





今も残る父島の存在!

昭和48年の谷山臨海工業地帯の第一号用地及び埠頭用地の構成により七ツ島は消滅。
難しい感じの事を書きましたが要は埋め立てられてしまった、という事です。
7つの島の中でせめて最大の父島だけでも残したいという市民の想いが実り、今に至る。そんな歴史があります。
この父島が残る場所には碑や看板があります。でもスルーしやすいです…。碑や看板は大きくないし、停車するほど用事がない場所なので敢えて父島をみる!など目的を持って行かないと…気づかないかも。
私でさえ、いつもスルーしてました。「何かあるなぁ」くらい。父島が残っているという事実を知ってから意識するようになって行ったくらいですから。



今度、産業道路を通る時、意識してみると面白いかもです。

ちなみに南下する場合でいうと、左手(海側)に父島は残っています。

2017年9月10日日曜日

第55話 遂に吐噶喇列島へ!〜後編〜


鹿児島行きのフェリーの到着予定時刻はダイヤ上では9時15分。
でも時間通りでない事はよくある事で、島内に大体何時に着くという放送が流れるのでこれを頼りに島の人は動く。諏訪之瀬島の前の平島を出るともうすぐです。
フェリーが来るまで時間があり、民宿で何しようかな~と思っていたらおばさんに呼ばれた。行ってみると…おばさんがこっそりパッションフルーツを食べさせてくれた上、お土産に2つ持たせてくれました。
そして、民宿のおじさんとおばさんと一緒に写真をパチリ。ギネス記録の大きな浪人鯵の魚拓の前で。
その後は民宿の縁側でコーヒーを飲みながら3人でまったりした良い時間を過ごしました。

実際、諏訪之瀬島にフェリーが来たのは10時頃。
9時半頃民宿のご夫婦が送ってくれたのですが港に行く前にヤギやヤマハのホテル跡地を見せてくれました。
そして港に着いてからウミガメを探した。よく見かけるというので民宿のおじさんとカメラマンのお兄さんとウミガメを探す。すると、さすが島の人は目が良いですね、おじさんがすぐ見つけました。
その後は見つけられなかったけど見られてよかった。ちなみにカメラマンのお兄さんは昨日結構な数のウミガメを見たらしい。


時間の経過と共に港に続々と人が集まる。子供達もたくさんいました。
そしてフェリーが来る直前、突然の豪雨。皆待合所に避難。しばらくするとまた晴れました。夏っぽい!島っぽい!
フェリーが入港し、タラップが下された。それを見てちょっと淋しくなりました。民宿のおじさんとおばさんと握手をし、そして、いざ乗船!
乗ってビックリ!超、人が多い!行きはガラガラだったのに…。まず受付してシート番号をもらう。私は小さい部屋の端っこのシートを確保出来ました。

帰りは相当な乗船率のようでレストランやエントランスにまで毛布が敷かれていました。
「こんなに人が溢れるものなのか…!?」
そして、このエントランスのシートを使うことになるお兄さんたちとこの後ご縁があるとはこの時はまだ知るよしもない。



場所を確認して荷物を置いたあとは外に出て港の様子を見てました。
すると…かわいい光景が。
乗船した学校の先生か親御さんなのかわからないけどフェリーに乗っているおじさんが港にいる小学校低学年くらいの男の子にフェリー内で買ったアイスを投げ渡しました(島内ではアイス売ってるとこがないのかも)。落としながらもアイスを受け取った男の子は嬉しそう。
そして、その後男の子がアイスを食べ始めた直後!何と、せっかくのアイスを落としてしまいした。落とす瞬間は見なかったけどアイスを落とし、ショックで一瞬固まってしまった男の子を見ました。気を取り直したのか拾って汚れたところをとって食べてたみたいですけど。この固まった瞬間の男の子が可愛くて、思わず、隣にいたおじさんと「落としちゃいましたね」と、吹き出してしましました。

そんな光景を見終えると、フェリーが諏訪之瀬島を出港。見えなくなるまで手を振りました。こうして今尚噴煙を上げる諏訪之瀬島とお別れ。
これからおよそ9時間、行きとは違い、真っ昼間のフェリーの船旅が始まります!



フェリーが出港してしばらくは海や島を見てました。そしてベンチに座り海を見ながら「鹿児島まで長いなぁ…眠れないし、何しよう…」と思っていまました。フェリー内はもう探検したし、そもそも人が多くてウロつきにくい。海を見てるのはそれなりに楽しいけど、9時間ずっとそればっかりはさすがにちょっと…。
と、そんな事を思ったりしていたら下の階段から見覚えのある人が。
行きのフェリーで喋ったお兄さん登場!
帰りがお互い明日だと話してたので乗ってた事は知ってたけど…会えましたね。

彼は何回か釣りでトカラに来ていて今回は悪石島に。やたらカツオドリに詳しくて熱心にカツオドリについて話してくれた。行きのフェリーでも説明してくれてたけど、熱く語ってるのを聞いていると不思議なもので存在すら知らなかったのに、だんだんカツオドリがかっこよく見えてくるもので…そして何か感動。

そんな彼と話しているとあっという間にフェリーは中之島に到着。さらにたくさんの人が乗ってきた。団体旅行者がいたらしく、船内いっぱい。
何の別れかなのか離島に赴任する先生を見送るように紙テープがいっぱいで別れを惜しんでる人がたくさんいました。団体旅行者を見送っていたらしい。


中之島を離れ、最後の乗船客がいる口之島に到着するともうフェリーは超満員!!これ以上人が乗ってくる事はないけど本当にたくさんの人でした。

口之島から鹿児島湾に入るまでが長いのでトカラベテランの彼は口之島を出港すると一旦寝ると言って中に戻りました。私は寝るつもりはなかったのでそのまま外で海を見てました。海を見るぶんにはまだまだ飽きなていない。

しばらくして一旦中に戻るとエントランスに敷かれたシートのエリアに人が。この人たちがここになったのか~と思いつつ、見ると、彼がそこのお兄さんたちと話をしている。
結果、釣り仲間で、前からの知り合いだそうです。偶然フェリーで会ったらしい。

その後、再び外にいると彼とエントランスがテリトリーのお兄さんが出てきた。口之島に釣りに来ていたというお兄さん5人組。そのうちの2人と彼と結局ここから鹿児島港に着くまでず~っと外で遊んでいた(話していた)為、長いと思っていた船旅があっという間でした。それくらい楽しかったです。

19時半頃フェリーとしまは鹿児島港に到着。遂に私のトカラの旅が終わった。日も暮れて薄暗くなった空の下、フェリーとしまがライトアップされていました。でも行きで見たフェリーとしまのライトアップとはちょっと違って見えました。「遂に帰って来たか…」と、ものっすごく淋しくなりました。


フェリーを降りてから彼らの釣り道具が出てくるのを私も一緒に待ちました。そして、いよいよ皆ともお別れです。
結果的に7時間くらい話してたけど今思えば何をそんなに話してたのか…。でも、とにかく一緒だった事ですごく楽しかったです!本当に感謝!ありがとうございました!



諏訪之瀬島はトカラの中でも観光地的なものが特に何もない島だと思います。でも、楽しみ方は人それぞれ。私はとにかく「諏訪之瀬島へ行く!」という目標があった上(理由はこの話の前編や第53話で説明済み)、すごく楽しめて満足したので本当に思いきって行ってよかったな、と思っています。
私は今回一人旅でした。何時間もフェリーに乗り、且つ何もない島に行きたいと思う人が私の周りにいたかどうか…そもそも探してもいない。中之島や宝島だったらいるかもしれないけど、諏訪之瀬島は…何もない場所に対して免疫がないと行けないだろうと。

でも結果的に自由に動けたし、ガイドさんや民宿のおじさんとおばさんとも短いながらも良い時間を過ごせた。そして何より一人で何時間もフェリーに乗った旅だったからこそ出会った人達がいた!これぞ旅の醍醐味!!


刻を忘れさせる島、吐噶喇!



何もしないのもあり!もしかすると傷心旅行にはすごく良いかもしれません…。時間もお金もあるなら本当は一気に全島行きたいトカラ。でも今は大人しく一島ずつですね…。

「トカラに行きたい、でも…」と行ききらない人がいると思います。民宿に予約しちゃえばもう行くしかないですからまずは民宿に電話をかける勇気を出してみると良いかもしれません。時期やタイミングによっては電話に出なかったり、空室がなかったりするので必ず宿泊予約が取れるとは限らないかもしれませんし。
私が民宿に予約したのは宿泊2日前。出発から言えば前日。えいっ!とちょっと勇気を出したら面白いことが待っていたわけです。

行く前は「行くとしても諏訪之瀬島だけだな」と思っていたトカラの旅。
諏訪之瀬島の旅を楽しんだ私は既に次のトカラ旅を計画中。

次はトカラのどの島がこのブログにアップされるのか…乞うご期待!?